【2025年版】薬局ホームページに必要な掲示内容とは?調剤報酬改定に対応するウェブサイトの作り方

目次

調剤報酬改定で薬局ウェブサイトに求められる書面掲載事項とは

2024年度の調剤報酬改定により、薬局がウェブサイト上に掲示すべき内容が大きく拡充されました。これまで紙媒体での掲示や店舗内での提示にとどまっていた情報が、原則としてホームページ上にも掲載することが求められるようになりました。

この改定の背景には、「医療DXの推進」と「患者が薬局を選びやすくする情報開示の強化」があります。特に今回は、医療DX推進体制加算に関する情報や、各種施設基準・加算の届出内容など、薬局の体制に関する情報をウェブ上でも明示することが強調されており、薬局経営者やホームページ担当者は、情報整理と掲載対応を急ぐ必要があります。

※本記事は、2024年度調剤報酬改定に基づく薬局向けウェブサイトの整備に関して、現時点で公開されている情報をもとにまとめた内容です。制度の詳細や最新情報については、必ず厚生労働省や地方自治体の発表、または関係機関にてご確認ください。

メディア出演薬剤師カモーンTV

このトピックについては、以前出演したYouTube動画でも解説しています。具体例を交えてお話ししていますので、ぜひあわせてご覧ください!

薬剤師カモーンTV

【6月から対応必須!】薬局HPに記載すべき内容について | vol.215

Date: 2025/04/24

医療DX推進体制加算するならウェブサイトに記載が必要

2024年度の改定で新設された「医療DX推進体制加算」は、薬局におけるデジタル技術の導入状況を評価する加算です。

この加算に対応するためには、以下の取り組みを行っていることを薬局ホームページに掲示する必要があります

  • マイナ保険証の利用体制
  • 電子薬歴システムの導入状況
  • 電子処方箋の受け付け対応
  • LINEなどの予約システムの導入状況
  • オンライン服薬指導の提供体制

これらの項目は、単に実施しているかどうかだけでなく、患者さんにとって分かりやすく、見やすい形で情報提供することが求められます

例えば、どんな見せ方ができるの?

「マイナンバーカードによる保険証の利用が可能」
「電子処方箋対応済み」
「オンライン服薬指導可能」

といった簡潔な文言と併せて、具体的な運用状況や利用方法が記載されていると、より望ましいとされています。こういった細部の見せ方まで、わたくしPOLY-POLYデザイン』ではしっかりサポートさせていただきます。

医療DXは今後さらに加速していく領域であり、今のうちからホームページ上に明確な掲載スペースを確保しておくことは、将来の制度改定への備えにもなります。

 

薬局内掲示事項ウェブサイト掲載義務化されました

また、今回の改定では、従来、薬局内に紙で掲示していればよかった情報についても、原則ウェブサイト上での公開が義務化されました。

具体的には以下のような内容です:

  • 調剤基本料の種別
  • 各種加算(後発医薬品調剤体制加算・地域支援体制加算・在宅医療関連加算など)の届出有無
  • 対応可能な保険調剤の内容
  • 明細書の交付有無
  • 夜間・休日の対応体制

これらは、単に「届け出済み」と書くだけでは不十分です!

薬局がどのような体制を持ち、どのような患者にどのようなサービスを提供できるのかが明確に分かる記載が求められます

特に対応する公費や加算については記載項目も多いため、ただ単に羅列するのではなく、デザイン的観点からも必要に応じて視覚的見やすさを意識することも重要です。

 

薬局ホームページへの反映は“原則必須”に

今回の通達では、「ホームページがある場合は、原則として掲示内容をサイト上にも掲載すること」と明記されています。つまり、ホームページがある薬局にとっては、これらの情報掲載が“義務”であるという認識が必要です。

つまり、ホームページがある薬局にとっては、これらの掲載が『義務』 となります!

一方で、「掲載様式(PDF、テキスト、画像など)や掲載場所(トップページ、下層ページ)は現時点で明確な指定がない」とされており、薬局ごとの判断に委ねられている部分もあります。

しかしその自由度は、裏を返せば「見にくい」「探しにくい」サイトでは評価されにくいことを意味します。

したがって、今後の制度運用や行政監査などを見据えると、ユーザー視点で整理された構造と、モバイル対応を含むUI設計が極めて重要になります

実際に掲載すべき項目一覧とその意味

調剤報酬改定によって、薬局ホームページに求められる掲載情報は、これまで以上に「制度に沿った正確さ」と「ユーザー(患者)にとっての分かりやすさ」の両立が重要になっています。ここでは、具体的に掲載必須とされる掲示項目の内容を整理し、それぞれが意味するところや、どのように掲載すべきかのポイントを解説します。

医療DXの掲示内容(5つの要素)

まず対応が急がれるのが、医療DX推進体制加算に対応した5つの取り組みの明示です。これらは単なる制度上のチェック項目ではなく、「その薬局が今後どのようにデジタル医療と向き合っていくか」という姿勢を示す内容でもあります。

掲載が求められるのは、次の5項目です。

  1. マイナンバー保険証対応:オンライン資格確認を導入済みである旨
  2. 電子薬歴の導入状況:薬剤師による調剤・服薬指導の記録が電子管理されていること
  3. 電子処方箋への対応:医師からの電子処方情報を受け取る体制が整っていること
  4. LINE等による予約システム:待ち時間短縮・混雑緩和の仕組みがあること
  5. オンライン服薬指導への対応:遠隔地でも薬剤師が適切な指導を行える体制

これらは単純な羅列ではなく、可能であれば各項目ごとに簡潔な解説や実施状況を記載するのが望ましいです。

たとえば、「オンライン資格確認を導入し、マイナンバーカードによる保険証利用が可能です!」などわかりやすい言葉で表現する。

ユーザーに伝わるコピーライティング力とデザイン力、つまり、薬局の仕組みを伝わりやすい形にする必要があるんだね!

調剤基本料・施設基準の届出事項

次に、調剤報酬上の施設基準に関する掲載が義務づけられています。これらは点数の根拠となるものであり、患者や関係者に対して薬局の体制を可視化する情報としての役割も担います。

掲載が求められている主な項目は以下の通りです:

  • 調剤基本料の区分
  • 後発医薬品調剤体制加算
  • 地域支援体制加算
  • かかりつけ薬剤師制度の届出
  • 在宅医療対応(在宅加算、持続注射・中心静脈・無菌製剤など)
  • DX加算への対応

これらは厚労省の通達上、「掲示が必要」とされているもので、薬局としてどの届出をしており、どの体制を整備しているかを正確に反映させることが求められます

 

対応保険・明細交付など「患者対応」も記載必須

見落とされがちですが、患者に関係する対応状況の掲示も明確に義務化されました。

具体的には、次のような項目です:

  • 対応可能な保険(各種公費負担、労災、生活保護等)
  • 明細書の交付有無(無料交付しているか)
  • 夜間・休日の受付体制の有無

これらは患者が薬局を選ぶうえで重要な判断材料となる情報であり、「〇〇に対応しています」だけではなく、受付時間帯や対応の流れを簡潔に記載するのが理想的です

例えば、「生活保護・労災にも対応」「夜間対応:22時まで受付(曜日限定)」といったように、具体的な情報を載せることで、信頼性の高い情報発信となります。

薬局の在宅医療において24時間対応してる場合は、24時間対応の連絡先も記載するといいよ!

薬局ホームページは、単なる店舗紹介ページから「医療体制を伝える法令対応ツール」へと進化を求められています。次のセクションでは、これらの内容をどのように掲載するのが実務的・デザイン的に最適かについて、Web制作者の視点から解説していきます。

 

薬局ホームページで気をつけたい掲載の工夫と実務的なポイント

調剤報酬改定による掲示義務を満たすうえで、単に「掲載してあればOK」と捉えるのは危険です。むしろどう見せるか、どこに配置するか、どれだけ更新しやすい設計になっているかなど、運用面まで配慮したWeb制作が今後は求められます。

ここでは、薬局のWebサイトを制作・運営する立場から、掲載に関する実務的なポイントをお伝えします。

トップページ or 専用ページ?情報設計で“探しやすさ”を意識

掲載義務がある情報は、内容が専門的で量も多くなりがちです。これをトップページの目立つ場所にすべて詰め込んでしまうと、他の情報が埋もれてしまう上、ユーザビリティが大きく低下します。

おすすめは、「調剤報酬改定に伴う掲示情報ページ」などの専用ページを用意し、トップページからはバナーやテキストリンクで誘導する設計です。バナーには「医療DX」「加算対応状況はこちら」といった言葉を添えると、関係者にも伝わりやすくなります。

 

PDF vs テキスト:形式選びにも配慮が必要

現時点で掲示内容の形式(PDF、HTML、画像など)に明確な指定はありませんが、SEOや更新性、アクセシビリティの観点からはテキスト形式が推奨されます。

PDFは一度作ってしまえば印刷や配布にも使いやすい反面、スマートフォン閲覧では視認性が低く、検索エンジンにも認識されづらいというデメリットがあります。

可能であれば、一覧形式のテーブルやQ&A形式で掲載し、内容が多い場合はアコーディオン展開(クリックで開閉)などを用いて視認性を担保するのが理想です。

 

更新を前提に「管理しやすい構造」にしておく

掲示内容は年度ごとの改定や加算の見直しに応じて変動する可能性が高い項目です。そのため、CMS(WordPress等)であれば特定の固定ページを管理者側で簡単に更新できるように設計しておくと安心です。

また、複数店舗がある薬局の場合、「全店舗共通事項」と「店舗ごとの対応状況」を分けて記載できる設計にしておくと、今後の運用がスムーズになります。

 

表現とデザインは「業界内の共通理解」と「読みやすさ」のバランスを

医療DXや各種加算など、制度的な用語はどうしても専門的になりがちです。とはいえ、そのままコピペするのではなく、「内容を理解して要約したうえで掲載する」ことが、読みやすく・信頼されるサイトづくりにつながります。

特に、「おしゃれな薬局ホームページ」を目指す場合でも、過剰な装飾やアニメーションよりも、整った余白、読みやすいフォント、見出し構造の整理が鍵となります。

 

期限は2025年5月末。未対応の薬局は早急な見直しを

掲載義務のある内容については、2025年5月末までに対応することが求められていました。現在はすでに経過措置が終了しています。行政側の確認・監査が入る可能性もゼロではありません。

もし現時点でホームページに未掲載の項目がある場合は、すぐに体制を確認し、早急に対応ページを作成・掲載することが強く推奨されます

 

実際にどう掲載されている?薬局ホームページの掲示対応・参考事例

2024年度の調剤報酬改定によって、薬局ホームページへの掲載が「原則必須」とされた今、他の薬局はどのように対応しているのでしょうか?
ここでは、実際に公開されている薬局サイトの一部事例や、制作側としておすすめの掲載パターンを紹介します。

専用ページで対応項目を網羅的に整理する例

もっともスタンダードなのは、「情報公開」「医療DXへの取り組み」などのページを一つ設け、その中に掲示義務のある項目を見出し単位でまとめて記載しているパターンです。
この形式は、検索性・更新性ともに高く、CMS運用にも向いています。

例として、以下のようなセクション分けがよく見られます:

  • 調剤基本料に関する情報
  • 施設基準(後発医薬品体制加算、地域支援体制加算など)
  • 対応可能な保険調剤の内容
  • オンライン服薬指導/LINE予約などのシステム導入状況
  • 医療DXへの取り組み全般(マイナ保険証、電子薬歴など)

店舗ごとに対応内容が異なる場合の分け方

多店舗展開している薬局では、本部サイトで全体方針を示しつつ、各店舗ページで個別の掲示内容を分けて記載しているケースもあります。

たとえば、「医療DXの対応状況は全店舗共通だが、加算の届出状況は店舗によって異なる」場合などは:

  • 共通ページ:「当グループの医療DX対応方針」
  • 各店舗ページ:「〇〇薬局の掲示情報はこちら → 詳細PDF or 専用ページリンク」

といった形式で分けておくと、閲覧者にとってもわかりやすく、内部管理もしやすくなります。

PDFのみの掲載に頼らず、Webテキストとしての可読性も意識

一部の薬局では、院内掲示と同じPDFをそのままアップロードして終わりという形も見られますが、これはあまり推奨されません。

理由として:

  • スマホではPDFが読みにくい
  • 検索エンジンが内容を認識しづらい(SEO効果が低い)
  • 将来の更新時に差し替え忘れが起きやすい

などが挙げられます。

「書面としての保存性」+「Webでの読みやすさ」を両立するには、

PDFは添付資料として用意し、Webページ上には同内容の要約・抜粋をテキスト形式で掲載する、
というハイブリッド型の設計が理想的です。

見た目にも配慮した「おしゃれな薬局ホームページ」の条件

掲載内容が法的義務であっても、表現やデザインには自由度があります。たとえば:

  • アイコンを使って一覧表示
  • アコーディオン開閉で整理
  • 色分けして視認性を向上
  • スマホでも読みやすいレイアウト

など、「見やすさ」と「信頼感」を両立させるUI設計は、薬局のブランディングにも直結します。

「薬局 ホームページ おしゃれ」といった検索ニーズが存在する今、単なる掲示項目の羅列ではなく、見せ方にも工夫を加えることが求められています。

まとめ|今こそ薬局のウェブサイト整備が必要な理由

2024年度調剤報酬改定を受けて、薬局ホームページに求められる役割は大きく変わりました。
従来の「患者向け情報を軽く載せておけばよい」という時代は終わり、制度対応の証明ツールとしての機能が求められるようになっています。

特に今回の改定では、「掲示事項をWeb上に掲載することが原則義務」と明記されている点がこれまでとの大きな違いです。


そのため、対応がまだ済んでいない薬局では、一日でも早く掲載整備を進めることが重要です。

🟩 POLY-POLYデザインでは薬局業務に即した掲載サポートを実施中

POLY-POLYデザイン』では、薬局向けのホームページ制作・運用支援を専門に行っています。
薬剤師として10年以上調剤現場に関わってきた経験を活かし、

  • 掲示項目の構成に関するご提案
  • 見やすさと更新性を両立した設計
  • 多店舗展開に対応した柔軟なCMS構築
  • 専門用語のかみ砕きとレイアウトの工夫

など、制度的要件と実務の両面をふまえたサポートを提供しています。

掲示義務のある情報が「読まれにくく・形だけになってしまう」のではなく、信頼感やブランディングに繋がる設計にしていくことが、今後の薬局運営には不可欠です。

🟩 2025年5月末が掲載期限。未対応の場合は早急にご相談を!

今回の掲示対応には明確な期限(2025年5月末)が設けられていました。
現在はすでに6月に入っており、「未対応のまま放置していた」と見なされるリスクも高まっています。

今からでも遅くありません。掲載内容の整理やWeb構成のご相談など、どうぞお気軽にお問い合わせください。

※この記事は、Web制作者かつ薬剤師経験者としての視点でまとめた内容です。掲載内容の正確性には十分配慮していますが、最終的な対応の判断は各薬局の責任で行ってください。制度や要件の更新があった場合は、速やかに公式情報をご確認のうえ、適切にご対応ください。

📺 今回の内容を解説したYouTube動画はこちらからご覧いただけます!

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